交通事故で健康保険は使える!使えないと言われる理由とメリット・デメリットを徹底解説
交通事故の治療を受けに病院へ行くと、窓口で「交通事故の場合は健康保険は使えません」とキッパリ断られて驚いたことはありませんか?
痛みで辛い中、さらに高額な治療費の不安まで襲ってくると、どうしていいか分からなくなりますよね。結論からお伝えします。交通事故の怪我でも、健康保険や国民健康保険は間違いなく「使えます」。
この記事では、病院が「使えない」と言う本当の理由や、健康保険を使うメリット・デメリット、そして損をしないための切り替えタイミングなどを、超初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。
1. 交通事故で健康保険は「使える」のが法律上の正解!
交通事故による怪我の治療において、被害者が健康保険(社会保険)や国民健康保険を使用することは、法律や制度の上で一切禁止されていません。
むしろ、昭和43年に当時の厚生省から「交通事故であっても、健康保険の給付を拒否することはできない」という通知が出されており、現在もその効力は続いています。
では、なぜ多くの病院で「使えない」と言われてしまうのでしょうか。それは、単に病院側の「ルール」や「慣習」に過ぎず、法的な拘束力はないのです。
まずは「私は自分の健康保険を使う権利がある」ということを知っておいてください。
2. なぜ病院は「健康保険は使えません」と拒否するのか?
病院が健康保険の使用を嫌がるのには、患者さんのためではなく、主に「病院側の都合」による3つの理由があります。
① 診療報酬(利益)の差
健康保険を使った治療では、治療費の単価(点数)が国によって厳しく決められています。
一方で、健康保険を使わない「自由診療」の場合、病院は独自に単価を設定できます。一般的に自由診療の単価は健康保険の1.2倍〜2倍程度に設定されていることが多いため、病院にとっては自由診療で受診してもらったほうが利益が大きくなるのです。
② 手続きの煩雑さ
通常、病院は健康保険組合に治療費を請求しますが、交通事故の場合は「加害者」が存在するため、保険組合側が「それは相手(加害者)が払うべき治療費ですよね?」と確認作業を細かく行います。
これに付随する事務作業が非常に面倒なため、窓口で断ってしまうケースがあるのです。
③ 支払いトラブルの回避
自由診療の場合、多くは加害者の任意保険会社が病院に直接治療費を支払う「一括対応」が行われます。
病院としては、確実に、しかも高単価で支払ってくれる保険会社を相手にするほうが楽なのです。
3. 健康保険を使うメリット・デメリットを徹底比較
「使えるのは分かったけれど、結局使ったほうがいいの?」という疑問にお答えします。
健康保険の使用は、状況によって「神の一手」にもなれば、少し不便を感じる原因にもなります。
メリット・デメリット一覧表

最大のメリット:自分の過失がある場合に「手取り」を守れる
ここが非常に重要です。交通事故に「100対0」ではなく、あなたにも少し過失(2割など)がある場合、最終的な慰謝料から治療費の一部が差し引かれます(過失相殺)。
最終受取額 = (慰謝料 + 休業損害 + 治療費) × (1 – 自分の過失割合) – 既に払われた治療費
治療費が自由診療で高額になればなるほど、あなたの過失分として差し引かれる金額も大きくなります。
健康保険を使って治療費の総額を抑えておけば、最終的に自分の手元に残るお金(慰謝料など)を最大化できるのです。
4. 健康保険を今すぐ使うべきケース4選
以下の状況に当てはまる方は、迷わず健康保険の使用を検討してください。
① あなた自身の過失が大きい
「7対3」や「6対4」など、自分にも落ち度がある事故の場合、自由診療で100万円の治療費がかかると、その3割や4割を自分の慰謝料から引かれることになります。
健康保険を使って総額を20万円に抑えられれば、引かれる金額も最小限で済みます。
② 加害者が任意保険に入っていない(無保険)
加害者が自賠責保険しか入っていない場合、自賠責から出る治療費の枠は「120万円」までと決まっています。
自由診療だとこの枠はあっという間に使い切ってしまいますが、健康保険なら治療費を抑えて枠を温存し、残りの枠を自分の慰謝料に回すことができます。
③ 保険会社から「治療費の打ち切り」と言われた
事故から数ヶ月経つと、保険会社が「もう治ったはずなので治療費を止めます」と言ってくることがあります。まだ痛みがあるのに諦める必要はありません。
ここから健康保険に切り替えれば、自己負担3割で通院を続けることができ、後遺障害の認定に必要な「半年以上の通院実績」も確保しやすくなります。
④ 自損事故(単独事故)で怪我をした
壁にぶつかった、溝に落ちたといった自損事故では、相手がいません。自分の人身傷害保険などが使えない場合は、自分の国民健康保険などを使って治療を受けるのが最も経済的です。
5. 【必須手続き】第三者行為による傷病届とは?
交通事故で健康保険を使う場合、窓口で保険証を出すだけでは不十分です。必ず「第三者行為による傷病届」という書類を保険組合に提出しなければなりません。
なぜこの書類が必要なの?
健康保険は本来、病気や「自らの不注意による怪我」を補償するものです。交通事故のように「他人のせい」で怪我をした場合、本来その治療費を払うべきは加害者です。
保険組合が「とりあえず治療費の7割を立て替えますが、あとで加害者にその分を請求(求償)しますよ」という法的な手続きを行うために、この届け出が必要になるのです。
手続きの流れ
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保険組合に電話: 「交通事故で健康保険を使いたい」と連絡します。
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書類の入手: 全国健康保険協会(協会けんぽ)や各健康保険組合のHPからダウンロードするか、郵送してもらいます。
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書類作成・提出: 事故証明書などを添えて提出します。
※この書類を提出しないまま示談をしてしまうと、保険組合が加害者に請求できなくなるため、後から治療費を返せと言われるリスクがあります。必ず提出しましょう。
6. 自由診療から健康保険へ「切り替え」をする方法
最初は言われるがままに自由診療で通っていたけれど、後から「健康保険に切り替えたい」と思った場合、途中で変更することは可能です。
切り替えの手順
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病院の窓口に相談: 「これからは健康保険を使いたい」と伝えます。月をまたぐ場合などはスムーズですが、同月内の場合は精算が少し複雑になることがあります。
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保険証の提示: 改めて保険証を提示します。
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保険会社へ連絡: 任意保険会社の担当者にも「これからは健康保険で通います」と一言伝えましょう。
注意:過去の分をさかのぼって切り替えるのは難しい
既に支払いが終わっている過去数ヶ月分の治療費を、後から健康保険扱いにさかのぼって精算(遡及適用)するのは、病院の事務処理上、非常に困難です。切り替えを決めたら、早めに医師や事務局に相談するのが鉄則です。
7. 加害者側の保険会社が「健康保険を使ってほしい」と頼んでくる理由
被害者であるあなたに対し、加害者の保険担当者が「できれば健康保険を使ってもらえませんか?」と丁重に頼んでくることがあります。これには明確な裏があります。
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治療費の節約: 保険会社が最終的に支払う示談金を減らしたいという意図。
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自賠責枠の温存: 前述の通り、自賠責の120万円枠を治療費で使い切らせたくないため。
これに応じるべきかどうかは、あなたの過失割合次第です。あなたの過失がゼロ(10対0)であれば、無理に健康保険を使うメリットは少ないかもしれません。しかし、少しでも過失があるなら、保険会社の提案に乗る形(健康保険使用)のほうが、結果的にあなた自身の手取り額も増える「Win-Win」の状態になることが多いのです。
8. 示談交渉と健康保険の深い関係
健康保険を使って通院を続けることは、最終的な示談交渉にも影響します。
慰謝料への影響
「健康保険を使うと治療費が安くなるから、慰謝料も減るのでは?」と心配する方がいますが、その心配は無用です。
交通事故の慰謝料(入通院慰謝料)は、治療費の金額ではなく、「通院した期間」や「実際に病院に行った日数」によって計算されます。健康保険を使っても、しっかりと通院を続けていれば、慰謝料が不当に減額されることはありません。
示談後の医療費
示談が成立した後に「やっぱりまだ痛いから通院したい」となった場合、その治療費はすべて自己負担になります。しかし、健康保険に加入していれば、示談後であっても通常通り3割負担で治療を受けることができます。
9. まとめ:納得のいく通院のために
交通事故での治療において、健康保険はあなたの権利を守るための手段です。
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病院に拒否されても、法的に使えることを知っておく。
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自分の過失がある場合や、治療費打ち切り後は積極的に使う。
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「第三者行為による傷病届」の手続きを忘れずに行う。
もし、病院との交渉がうまくいかなかったり、保険会社からの圧力が不安だったりする場合は、一人で抱え込まないでください。事故治療の専門知識を持つ弁護士や、交通事故対応に慣れた接骨院・整形外科に相談することが、心身ともに健やかな回復への近道です。
事故治療ナビでは、あなたの状況や症状にあった通院先を無料でご案内しています。
手続きや診療に関するご相談を24時間いつでもお受けしていますので、まずはご相談ください。
よくある疑問:FAQ
Q. 国民健康保険でも同じように使えますか?
A. はい、全く同じです。市区町村の窓口で「第三者行為」の手続きを行ってください。
Q. 接骨院でも健康保険は使えますか?
A. 交通事故の怪我(捻挫・打撲など)であれば可能です。ただし、病院(整形外科)での定期的な診察と併用することが、後遺障害認定などの手続き上非常に重要です。
Q. 健康保険を使うと、受けられるリハビリが減りますか?
A. 保険診療の範囲内という制限はありますが、交通事故でよく行われる電気治療や手技療法、湿布の処方などは通常通り受けられます。
治療費の支払いや通院方法で悩んでいるなら、まずは以下の3つを確認してみましょう。
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自分の過失割合はどのくらいになりそうか?(高そうなら即、健康保険を検討)
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通っている病院は健康保険の使用に協力的か?(拒否が強いなら、転院も一つの選択肢です)
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弁護士特約はついているか?(ついている場合、保険のプロである弁護士に「健康保険を使うべきか」のアドバイスを無料でもらえます)
事故治療ナビは、交通事故に関するあらゆるお悩み相談に対応しています。
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