ピロリ菌検査
ピロリ菌外来とは?
ピロリ菌外来とは、胃の中に寄生する「Helicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌)」の感染を診断し、治療をするための外来です。
ピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの疾患の原因とされており、治療は一般的に、抗生物質などを使用した薬物療法を行います。
当院では、内視鏡検査によるピロリ菌感染の診断から、患者様の状態にあわせた適切な治療まで対応しております。
ピロリ菌検査
ピロリ菌検査には、血液検査・呼気検査・便検査・内視鏡検査の4つの方法があります。
ピロリ菌の検査方法 | 概要 |
血液検査 | 血液中にピロリ菌に対する抗体が存在するかどうかを調べる検査 |
呼気検査 | ピロリ菌が胃内で尿素を分解する際に発生するガスを検出する検査 |
便検査 | 便中のピロリ菌の抗原を検出する検査 |
内視鏡検査 | 内視鏡を用いて胃の中を観察し、胃の内壁から組織を採取して感染の有無を調べる検査 |
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌に感染した患者様には、特定の抗生物質とプロトンポンプ阻害剤(PPI)を組み合わせて投与し、ピロリ菌を根絶する治療を行います。
除菌率が高く、成功するとピロリ菌による症状が改善されます。
ただし、除菌治療に失敗する場合もありますが、その主な原因は、除菌薬に対して耐性をもつピロリ菌がいるからではないかと考えられています。
当院では、治療後のフォローアップ検査まで、患者様に寄り添って丁寧に対応しております。
ピロリ菌の胃カメラ検査
内視鏡を使って胃粘膜を観察し、ピロリ菌感染が疑われる場合は、組織の一部を採取・検査し、ピロリ菌感染の診断をします。
当院では、鎮静剤を使用して、患者様の痛みや不快感を最大限軽減することを心がけております。
検査自体は10〜15分で終わりますので、日帰りで受けていただくことができます。
ただし、内視鏡検査は身体への負担や偶発症のリスクもありますので、事前の診察の際に医師とよく話し合う必要があります。
ピロリ菌検査の健康保険適用の有無
ピロリ菌検査は、健康保険が適用されます。
ただし、検査方法によっては自己負担が発生しますので、詳しくは当院までご相談ください。
当院でのピロリ菌の除菌治療の流れ
当院では、以下のような流れでピロリ菌の除菌治療を行います。
①ピロリ菌検査
ピロリ菌の診断には、内視鏡を使う方法と使わない方法(尿素呼気試験、抗体法、糞便中抗原測定)がありますが、当院では内視鏡検査をご案内しております。
内視鏡を使う検査法は、胃粘膜あるいは胃の組織の一部を採取して診断します。
②治療方針の決定
ピロリ菌感染が確認された場合には、当院にてピロリ菌の除菌治療まで行うことができます。
患者様の症状、胃酸分泌量などを考慮した上で、適切な治療方針を立てていきます。
③ピロリ菌の除菌治療
抗生物質2種類と胃酸分泌抑制薬の3剤を併用して、ピロリ菌を除菌する治療を行います。
薬の服用期間は7日間です。
④治療後の再検査(除菌判定)
ピロリ菌の除菌治療終了後、1ヶ月以上経過してから、便検査(糞便中抗原測定)でピロリ菌除菌に成功したかどうか、除菌判定検査を行います。
除菌が成功していない場合には、再度除菌を行うことがあります。
ピロリ菌の除菌が成功した場合の注意点
ピロリ菌の再感染の確率は低く1〜2%であり、そのほとんどがピロリ菌除菌治療後の除菌判定が偽陰性のためと言われております。
再陽性を防ぐためには、食事や生活習慣の改善がとても重要です。
ピロリ菌検査・除菌治療に関するQ&A
Q.ピロリ菌検査をするにあたって、特別な準備は必要ですか?
A.内視鏡検査を受けていただく場合には、検査前日夜8時から絶食していただく必要があります。
Q.除菌治療中に飲酒や喫煙はできるのでしょうか?
A.喫煙は胃粘膜の血流を低下させ、結果として、抗菌薬濃度が低下し除菌率が低下する可能性がありますので、除菌治療中は控えてください。
また、飲酒によって薬の作用が弱くなり、除菌の成功率が低下する可能性がありますので、治療中は禁煙をおすすめします。
Q.除菌治療後の食事について、注意すべき点はあるのでしょうか?
A.ピロリ菌に感染すると胃の粘膜を防御する力が弱くなり、慢性胃炎になっている可能性がありますので、食事内容には注意が必要です。
脂っこいものや辛いもの、塩分濃度の高い食品は胃に負担をかけますので控えるようにしましょう。
Q.ピロリ菌を除菌した後も胃カメラ検査は必要ですか?
A.ピロリ菌の除菌に成功した場合でも、胃がんの発生リスクは残存しますし、胃炎や胃潰瘍の治療が必要なケースもあります。
除菌後も定期的に胃カメラ(内視鏡)検査による経過観察を行うことが重要です。