内視鏡検査は日帰りで受けられる?手続きから退院までの流れと注意点
内視鏡検査は、消化器系の病気の診断や治療に欠かせない重要な検査です。
特に、がんの早期発見につながるため、定期的な内視鏡検査を受けることが推奨されています。
検査のために入院が必要な場合もありますが、体の負担や時間を気にされる患者さんを考慮し、日帰りで受けられる内視鏡検査を提供しているクリニックもあります。
この記事では、日帰りで受けられる内視鏡検査について、検査の流れや注意点などを詳しく解説します。
内視鏡検査を日帰りで受けたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
日帰り内視鏡検査とは
内視鏡検査は、消化器官や呼吸器官などの内部を観察する検査のことです。
内視鏡検査を受けると、病気の早期発見や治療、予防につながることがあります。
検査前後の食事制限や安静などの指示を受けるため、一般的には内視鏡検査は入院が必要な検査とされています。
例えば、大腸内視鏡検査の場合は腸の内容物を完全に排泄させるため、前日から食事制限を行うことになっています。通常は入院期間が2日程度必要となるでしょう。
しかし、病状によっては日帰りで内視鏡検査を受けることができる場合があります。
その場合でも、検査前後の指示に従う必要がありますが、入院が必要な場合よりも負担が少ないことがメリットとなっています。
具体的な入院期間や病状については、医師と相談することが必要です。
日帰り内視鏡検査のメリット
日帰り内視鏡検査は、内視鏡検査の中でも最も手軽で一般的な検査方法です。
入院が不要なため、短時間で検査が終了することが大きなメリットに挙げられます。
日帰り内視鏡検査には、他にもさまざまなメリットがあるため、詳しくご紹介します。
入院が不要
日帰り内視鏡検査は入院が不要であるため、通院の手間や入院費用を抑えられます。
また、自宅での休息が可能であるため、自分の環境でリラックスできるメリットもあります。
短時間で検査を終えられるため患者さんへの負担が少なく、院内での感染症リスクも比較的低いという側面もある検査です。
短時間で終了
内視鏡検査は、一般的に時間がかかるとされていますが、日帰り内視鏡検査の場合は短時間で検査を終えられます。
一般的な検査時間は、20分〜40分程度とされています。そのため、日帰り内視鏡検査は、仕事や家庭の都合に合わせて、スケジュールを組みやすいのがメリットです。
また、検査のために長時間病院で待つ必要がなく、ストレスを感じることが少なくなります。
日帰り内視鏡検査のデメリット
日帰り内視鏡検査には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
- 麻酔のリスク
- 薬物アレルギーのリスク
- 運転できない
- すぐに治療できない場合もある
以上4つの主なデメリットを詳しく説明します。
麻酔のリスク
一般的に、日帰り内視鏡検査で使用される麻酔は、短時間で作用が切れる軽度のものが使用されます。
麻酔の使用によって、検査中の痛みや不快感を軽減できるため、内視鏡検査の快適性の向上につながります。
ただし、全身麻酔のように強力な麻酔剤を使用する場合には、稀に呼吸困難や意識障害、心拍数の低下、循環不全などの副作用も考えられます。
内視鏡検査における麻酔のリスクは、使用する麻酔剤の種類や量、患者さんの状態などによって異なり、医師から詳しい情報提供が行われます。
日帰りでの内視鏡検査では、検査終了後も自宅に帰り、自己管理をしなければならないため、麻酔の副作用に十分注意が必要です。
薬剤アレルギーのリスク
内視鏡検査では、薬剤の使用が一般的であり、薬剤アレルギーのリスクが存在します。
アレルギーがある場合には、血圧低下や呼吸困難、意識障害、アナフィラキシー(全身性アレルギー反応)などの症状が発生する可能性があります。
そのため、日帰り内視鏡検査を受ける場合には、事前に医師にアレルギーの有無を伝え、対処法を確認することが重要です。
運転できない
軽い鎮静剤を使用した内視鏡検査当日では、運転や自転車、バイクの運転は原則禁止されています。
これは、鎮静剤が効いてことで意識が遠のいたり、手足がふらついたりするリスクがあるためです。
検査翌日からは、通常通り運転が可能となりますが、検査時に把握した病気の状態によっては、医師から運転を控えるよう指示される場合もあります。
例えば、炎症や出血がある場合は運転を控え、安静にしていることが望ましいです。
内視鏡検査当日に予定がある場合は、事前に計画を立て、運転や移動手段を考慮することが重要です。
すぐに治療できない場合もある
日帰り内視鏡検査でポリープが発見された場合、状態によっては別日に治療を受けなければなりません。
例えば、ポリープの大きさが一定以上だった場合やがん化が疑われる場合、別日で適切な治療計画が立てられます。
内視鏡検査は検査後の治療も考慮し、通いやすいクリニックや高度な技術と豊富な専門医がいるクリニックを選ぶことが大事です。
日帰り内視鏡検査の流れ
日帰り内視鏡検査の流れは、大きく分けて以下の4つのステップで構成されています。
- 受付
- 診察
- 内視鏡検査
- 結果説明
検査当日は、まずは検査の受付を行います。受付時には保険証などの身分証明書や、前回の検査結果を提出することが求められます。
次に、診察が行われます。ここでは、医師から検査に関する詳しい説明が行われ、患者さんの病歴やアレルギーの有無、服薬状況などを確認します。また、血圧や脈拍などの基本的な検査も行われます。
内視鏡検査は、診察後に行われます。この際、事前に麻酔や鎮静剤が投与され、患者さんの不安や痛みを軽減します。内視鏡検査の時間は、一般的に20分程度で終了します。
最後に、検査結果の説明が行われます。検査結果に異常が見つかった場合には、医師から適切な治療方法について説明されます。
また、異常が見つからなかった場合には、患者さん一人ひとりに合わせた健康維持・増進についてのアドバイスを受けられます。
日帰り内視鏡検査の注意点
内視鏡検査を受ける際には、食事制限や薬の服用に関する制限が設けられます。
ここでは、日帰り内視鏡検査の注意点を解説します。
食事や飲み物の制限
内視鏡検査は、検査の精度をより高める目的で、空腹状態で臨むことが推奨されます。
一般的には、検査前6時間〜8時間は何も食べないようにし、検査前4時間〜6時間の間は水やお茶などの水分の摂取も避けましょう。
また、アルコールの摂取は検査の進行に悪影響を及ぼす可能性があるため、必ず避けてください。
薬の服用について
内視鏡検査前には、医師によって指示された通りに薬を服用する必要があります。
特に、血液をサラサラにする薬や血圧を下げる薬を服用している場合には、検査前に必ず医師に相談して服用の有無を判断してください。
検査後の休養
内視鏡検査は、短時間で終了するため、特に休養が必要となることはありません。
ただし、検査後には麻酔や鎮痛剤の効果、内視鏡検査時の体の負担によって気分が悪くなるケースもあるため、帰宅後は少し休んでから普段の生活を再開するようにしましょう。
付き添い者の確保
内視鏡検査中は麻酔や鎮痛剤を使用するため、患者さんによっては自力で帰れない場合があります。
そのため、家族や知人の付き添いありで来院をお願いするケースもあります。
以上の注意点を守ることで、内視鏡検査をスムーズに受けられます。
それでも検査に関して不安な点や疑問がある場合には、医師や看護師に相談することをおすすめします。
日帰り内視鏡検査の費用
日帰り内視鏡検査の費用は、施設や地域によって異なりますが、一般的には10,000円から30,000円程度が目安となります。
ただし、健康保険が適用される場合には、その一部が保険で賄われるため、自己負担額は数千円程度に抑えられます。
例えば、大腸内視鏡検査の場合、健康保険が適用されるため、自己負担額は一般的に1,000円から2,000円程度です。
胃カメラの場合は自己負担が高く、3,000円から5,000円程度かかることがあります。
なお、日帰り内視鏡検査にかかる費用は、内視鏡検査そのものの費用のほか、麻酔や薬剤、診察料などが含まれる場合があります。
また、内視鏡検査と同時に生検を行う場合には、生検の費用も追加でかかるため、事前にクリニックへ確認しましょう。
日帰り内視鏡検査後の経過とアフターケア
内視鏡検査後は、しばらくの間経過を観察する必要があります。
特に、麻酔や鎮痛剤の影響が残っている場合は、体調が落ち着くまで運転や危険な作業を避けなければなりません。
また、検査中にポリープが発見された場合、追加の検査や治療が必要になる場合があります。
内視鏡検査後の食事や生活についても配慮が必要です。
検査後の数時間は、食事を控えることが望ましいです。内視鏡検査後は2~3日間は腸の動きが鈍くなるため、消化しやすい食事を心がけましょう。
具体的には、野菜や果物、海藻、豆腐、低脂肪の肉・魚などを摂取し、油っぽいものや辛いもの、アルコールは避けてください。
検査部位に異常があった場合は、すぐに医師へ相談し、適切な処置を受けましょう。
まとめ
日帰り内視鏡検査は、短時間で終了するため入院が不要であり、患者さんにかかる負担が少ないのが大きなメリットです。
ただし、検査前後には生活上の注意点もあり、食事やアルコールの摂取などを制限する必要があります。
「おうえケアとわクリニック」では、患者さんにより快適に内視鏡検査を受けていただくため、悩みや不安に真摯に向き合ったカウンセリングと検査の実施に努めています。
普段忙しくされている方でも気軽に検査を受けていただける、日帰り内視鏡検査にも対応しておりますので、ぜひこの機会に「おうえケアとわクリニック」までご相談ください。