経鼻内視鏡検査ができない人とは?7つの特徴や代替方法を紹介

経鼻内視鏡検査ができない人とは?7つの特徴や代替方法を紹介

経鼻内視鏡 できない人

経鼻内視鏡検査は、鼻・咽頭・喉頭などの頭頸部の症状および異常を評価し、診断するための重要な検査です。

鼻から細い柔軟性のある医療器具を挿入する検査ですが、患者さんによっては経鼻内視鏡検査ができないケースもあります。

この記事では、経鼻内視鏡検査ができない人の特徴や代替方法を詳しくご紹介します。

経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査の違い

経鼻内視鏡 できない人

経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査は、それぞれに適応症があり、医師が患者さんの症状や状態を考慮し、適切な検査方法を選択します。

経鼻内視鏡検査は、鼻腔・喉頭・喉・気管・支氣管などの診断および治療に適しており、経口内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸などに適している検査です。

検査による痛みや不快感は、麻酔や鎮痛剤の使用の有無、患者さんの状態によって異なります。

経鼻内視鏡検査は、鼻腔や咽頭の粘膜が刺激されたときの痛みや不快感が伴う場合があります。

経口内視鏡検査は、口からの挿入であるため経鼻内視鏡よりも苦痛や不快感が少ない一方、経鼻内視鏡検査よりも嘔吐反射が起こりやすい傾向にあります。

どちらの検査方法が適しているかは、患者さん一人ひとりの状態や検査目的などを考慮し、医師が適切な判断を行わなければなりません。

経鼻内視鏡ができない人の7つの特徴

経鼻内視鏡 できない人

経鼻内視鏡検査は、鼻や咽頭に異常がある場合にできないと判断されることがあります。

ここでは、経鼻内視鏡検査ができない人の特徴と対処法について詳しく解説します。

①鼻がつまっている場合

鼻がつまっている状態では鼻腔が狭くなってしまい、内視鏡を挿入して進めるのが難しくなります。

また、鼻の粘膜が炎症を起こしている場合は、内視鏡の挿入により痛みが増すケースあります。

このような状態では、鼻腔を広げるために鼻腔拡張剤を使用する措置や、鼻腔の炎症や鼻づまりの原因を治療する措置が取られ、その後に検査を受けることが可能です。

②ストーマ(人工肛門)がある人

ストーマとは、腸管を外に出して人工的に造られた口(穴)のことを指します。

大腸癌や炎症性腸疾患などの手術を受けた患者さんや、先天的な病気によって腸管が正常に機能しない方に対して施されることがあります。

ストーマがある場合、人工肛門の位置と経鼻内視鏡の進行経路が異なるため、基本的に内視鏡の通過が困難です。

また、経鼻内視鏡検査中の鼻腔や咽頭の刺激や圧迫、または内視鏡の通過による振動や移動により、人工肛門に負担をかける可能性があります。

人工肛門周囲の組織が敏感であったり、人工肛門の機能や装具が不安定になったりする恐れがある場合は、内視鏡検査を避けることが適切と判断されることもあります。

③鼻腔が狭い方

鼻腔が狭い場合は、内視鏡の挿入と進行が困難なため、経鼻内視鏡検査を中止するケースがあります。

例えば、鼻中隔彎曲症や慢性的な鼻炎などが鼻腔を狭くする原因です。

鼻腔の狭窄により内視鏡が鼻腔の壁に接触し、摩擦や圧力が増加することが考えられます。そのため、挿入時の痛みや不快感が増すことも懸念されます。

このような状態では、口から内視鏡を挿入する経口内視鏡検査が適していると判断されることがあります。

④鼻の手術をした方

鼻の手術を受けた方は、手術によって鼻腔が変形しており、鼻腔や周囲の組織の回復を待たなければなりません。

手術後の経過が安定するまで、経鼻内視鏡検査を避けることが適切とされます。

また、手術によって鼻腔が狭くなっている場合は、状態によっては内視鏡の挿入ができない可能性もあります。

手術後には感染リスクが高まる傾向にあるため、医師との相談を通じて適切な検査を選ぶことが大事です。

⑤重症(急性期)の花粉症やアレルギー性鼻炎の方

重症の花粉症やアレルギー性鼻炎の方は、鼻腔が腫れることがあります。

そのため、内視鏡を挿入や進行が困難であり、挿入時の痛みや違和感が増すことが懸念されます。

また、鼻づまりやくしゃみが頻繁に起こる方は、内視鏡が動いて検査結果の正確性に影響を与えるため、医師の指示に沿って経口内視鏡検査を受けることを検討しなければなりません。

⑥肝硬変や出血傾向のある方

肝硬変や出血傾向のある方は、血液凝固機能が低下している場合があり、内視鏡の挿入時に出血が生じる可能性があります。

内視鏡検査中に使用される麻酔や鎮静剤は、意識や認知機能に影響を与えることがあるため、肝性脳症を悪化させるリスクが生じます。

肝硬変の重度な場合には、内視鏡検査が制約されるため、代替の検査方法やリスク管理を医師が検討します。

⑦抗凝固療法を受けている方

抗凝固療法は、血液の凝固を防ぐ目的で使用され、血液の凝固が抑制されています。

内視鏡検査では、内視鏡を挿入し組織を観察する際に組織への刺激や摩擦が生じるため、出血のリスクがあります。

そのため、抗凝固療法を受けている患者さんは、事前に医師に相談したうえで経鼻内視鏡検査を受けられるかどうかを確認しましょう。

患者さんによっては、内視鏡検査を中止するか、抗凝固療法の一時的な中止が必要です。

経鼻内視鏡ができない人におすすめの代替方法

経鼻内視鏡 できない人

経鼻内視鏡検査ができない理由によって代替方法が異なるため、代表例をご紹介します。

経口内視鏡検査

経口内視鏡検査は、内視鏡を口から喉、食道、胃へと挿入し、体内を観察する方法です。

例えば、以下のような患者さんの場合、適切な措置をしても経鼻内視鏡検査の実施が困難な場合に経口内視鏡検査が提案されます。

  • 鼻がつまっている方
  • 鼻腔が狭くなっている方
  • 鼻の手術をした方
  • 重症の花粉症やアレルギー性鼻炎の方

経口内視鏡検査は、異常や病変の有無、炎症や潰瘍、ポリープ、腫瘍などの異常な組織を検出することも可能です。

生検を通じて、病理学的な検査が可能となり、病変の性質や状態の詳細な評価が行われます。

これにより、消化器疾患の診断や治療計画の立案に役立てることが可能です。

経皮的内視鏡検査

ストーマ(人工肛門)を使用している方は、経鼻内視鏡検査ができないため、経皮的内視鏡検査が代替方法として提案されます。

経皮的内視鏡検査は、通常の内視鏡検査と同じように、内視鏡を挿入して腸管内部を観察する方法です。ストーマ周辺の皮膚に切開を行い、内視鏡を挿入します。

ストーマ周辺の皮膚が硬くなっている場合や、周辺に炎症がある場合は、内視鏡の挿入が困難になるため、事前に炎症や硬さを緩和しなければなりません。

狭窄部からの内視鏡の挿入には、一般的に痛みや不快感が少なく、内視鏡を通すことができるため、経鼻内視鏡検査が困難な場合にも適用されます。

経皮的内視鏡検査においても、通常の内視鏡検査と同様に、麻酔や抗生物質を使用するケースがあるため、医師と十分に相談したうえで適切な方法を選択することが重要です。

まとめ

経鼻内視鏡検査では、鼻咽頭におけるポリープや腫瘍、喉頭下部の異常な組織、炎症や潰瘍、リンパ節の腫れなどが観察されます。

鼻や喉頭に関連するさまざまな疾患の診断や治療計画の立案に役立ち、特に慢性的な鼻や喉の症状や声の異常を抱えている患者さんにとって重要な検査です。

内視鏡検査を専門とする「おうえケアとわクリニック」では、熟練の技術と豊富な経験を有する医師が在籍しております。

経鼻内視鏡検査ができない患者さんには必要に応じて経口内視鏡検査もご提案できますので、ぜひこの機会に「おうえケアとわクリニック」までお気軽にご相談ください。

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