内視鏡検査で分かる喉が痛い原因とは?発見できる疾患の特徴や初期症状を解説

内視鏡検査で分かる喉が痛い原因とは?発見できる疾患の特徴や初期症状を解説

内視鏡 喉 痛い

内視鏡検査は、喉から食道、胃、十二指腸の内部まで観察できる検査であり、さまざま疾患の原因の発見につながります。

喉の痛みや違和感があって内視鏡検査を受ける場合、咽頭に関する疾患や食道疾患の原因が見つかる可能性があり、検査の結果次第では適切な治療が医師から提案されます。

この記事では、内視鏡検査で分かる喉が痛い原因や考えられる疾患、検査方法などを詳しく解説します。

内視鏡で分かる喉が痛い原因とは?

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内視鏡検査は、胃や腸を診るだけでなく喉の痛みの原因まで調べられます。

がんが原因で喉に痛みを生じている可能性もあるため、内視鏡検査は重篤な疾患の早期発見・早期治療にもつなげられます。

喉に引っかかりやイガイガ感、出来物がある印象があった場合、なるべく早く診察を受けましょう。また、健康であると自覚している場合でも、定期検診を受けることをおすすめします。

喉が痛いときに考えれる原因

ここからは、喉の痛いときに考えられる原因をご紹介します。

  • 感染症による扁桃炎・咽頭炎
  • 甲状腺の炎症
  • 胃内容物の逆流
  • 喫煙や飲酒

それぞれについて解説します。

感染症による扁桃炎・咽頭炎

扁桃炎・咽頭炎は、喉の扁桃にウイルスや細菌が侵入して炎症反応を引き起こす疾患です。

ウイルスのなかでも、アデノウイルスやエンテロウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどが感染症による扁桃炎・咽頭炎の一般的な原因に挙げられます。

扁桃炎・咽頭炎は喉の痛みや不快感を伴い、軽度から激しい症状までさまざまです。炎症が進むと扁桃が赤くなることがあり、喉の奥が詰まった感じや圧迫される感じがします。

また、発熱を起こすことがありますが、それは体の免疫反応によるものであり、炎症や感染の兆候です。

扁桃炎・咽頭炎が発症した場合は、抗生物質を使用した治療や十分な睡眠などが体調の早期回復に求められます。

甲状腺の炎症

甲状腺は、人間の首の前部に位置する内分泌器官です。

この器官は、甲状腺ホルモンと呼ばれる物質を産生し、体内の代謝や成長、エネルギーの調節に重要な役割を果たしています。

甲状腺の疾患は、バセドウ病や橋本病などのさまざまなものが挙げられますが、喉が痛い場合には甲状腺腫瘍もしくは亜急性甲状腺炎が考えられます。

甲状腺に炎症が起こると、首の全部の膨らみや腫れ、首や喉周辺の痛みや不快感が生じることがあります。痛みの場所は、顎の下・喉・耳の付近に生じるケースもあるため、一般的な風邪や虫歯(歯痛)、中耳炎との勘違いには注意しなければなりません。

他にも、熱感や発熱、慢性的な疲労感、不安やイライラなどが、甲状腺の炎症でみられる身体的・精神的な変化にあたります。

甲状腺の不調が考えられる場合は、早めに診察を受けましょう。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、食道の内側の粘膜が胃酸や胃内容物と逆流し、炎症や損傷を受ける疾患です。

通常、胃酸は胃内に留まるべきですが、逆流性食道炎では、食道と胃の間の弁(食道閉鎖筋)が正常に機能しないため、胃酸が食道に逆流します。

主な症状には、胸の中央や上部の痛み、胸部の圧迫感、灼熱感、嚥下困難などが挙げられます。また、食道の内側の粘膜が炎症を起こすため、炎症が喉の近くまで広がり、喉の粘膜を刺激して痛みを引き起こすことがあります。

逆流性食道炎は、食生活やライフスタイルの変化、薬物療法、必要に応じた手術などを含む多岐にわたる治療法があるため、医師が患者さん一人ひとりの状態に応じて適切な治療法を提案します。

飲酒や喫煙

アルコールは喉の粘膜を刺激するため、高濃度のアルコールや強い飲み方によって喉に痛みを感じることがあります。

また、アルコールを摂取した際の利尿作用により、喉や口腔内の粘膜が乾燥し、炎症や痛みが生じるケースもあります。

喫煙も喉の炎症や痛みを引き起こす原因の一つです。タバコの煙には刺激性のある化学物質が含まれており、煙に含まれる熱や化学物質が水分を奪い、喉の粘膜が乾燥し刺激されるため痛みが生じる場合があります。

喫煙は気管や咽頭にも影響を与える可能性があり、慢性気管支炎や咽頭炎を引き起こす原因となるため、長期間にわたる喫煙には注意しなければなりません。

内視鏡検査で発見できる喉の疾患

内視鏡 鼻から

喉に生じた違和感や痛みなどは、風邪だけではなく重篤な疾患でも生じる症状です。

例えば、以下の疾患が喉の痛みや違和感の可能性があります。

  • 急性喉頭蓋炎
  • 扁桃悪性リンパ腫
  • 食道がん
  • 咽頭がん
  • 喉頭がん

これらの疾患の初期症状や原因などを解説します。

急性喉頭蓋炎

急性喉頭蓋炎は、喉頭蓋と呼ばれる喉の一部の炎症のことです。

喉の奥や上部の痛み、灼熱感などが生じ、食べ物を飲み込んだり咳をしたりしたときに悪化する傾向にあります。また、声帯や喉頭に炎症が起こることから声に変化がみられます。

喉の通り道が狭まった場合、呼吸困難につながるケースもあるため、緊急性を要する症状の場合は速やかに医師に相談してください。

内視鏡検査は、急性喉頭蓋炎や扁桃悪性リンパ腫などの発見につながるため、定期的に受けることをおすすめします。

扁桃悪性リンパ腫

扁桃悪性リンパ腫は、扁桃腺(のどの奥にある組織)に発生する悪性腫瘍です。

初期症状には、喉の痛みやリンパ節の腫れなどが挙げられ、腫れた扁桃腺が食物や液体の通り道を狭めるため、飲み込むことがが困難になる場合があります。

扁桃悪性リンパ腫が進行すると、喉の痛みや腫れが増すことがあり、腫れた扁桃腺や頸部リンパ節の拡大による呼吸困難が生じるケースもあります。

扁桃悪性リンパ腫の症状や懸念がある場合は、なるべく早く内視鏡検査を受け、早期発見と治療につなげましょう。

食道がん

食道は口から胃へ食物を運ぶ役割を果たす管状の臓器であり、食道がんはこの管の内側の細胞から発生する異常な増殖や腫瘍形成を指します。

初期段階では食道がんを自覚する症状が少なく、一般的な症状としては嚥下困難や胸やけ、逆流症状、喉の痛み、体重減少、貧血などが挙げられます。

食道がんが進行すると、食事後に消化不良や満腹感、食欲不振などがみられることがあり、食事摂取量の減少や栄養吸収の障害による体重減少や貧血などは代表的な症状です。

ただし、これらの症状は食道がんだけでなく、他の疾患や病態にも関連することがあるため、医師の評価と検査が必要です。

食道がんの予防には、喫煙や過度のアルコール摂取の制限、バランスの取れた食事、摂取される食品の温度調整などが推奨され、定期的な健康チェックやリスクファクターの管理も重要です。

咽頭がん

咽頭は喉から鼻腔にかけて広がる部分であり、空気や飲み物が通過する経路として重要な役割を果たしています。

咽頭に生じる咽頭がんは、初期症状が現れないことが多い疾患です。症状が進行すると、声のかすれや喉の違和感・痛み、首のしこり、鼻づまり、扁桃の腫れ、耳閉感などがみられます。

咽頭がんの主な原因は、喫煙およびアルコールの乱用です。これらのリスクファクターは、がんの発生リスクを高める可能性があり、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染も咽頭がんの一部の症例に関与しています。

咽頭がんの診断は、医師による内視鏡検査や身体検査、組織生検、画像検査(CTスキャン、MRIなど)などの手段を使用して行われます。

早期の発見と適切な治療は、食道がんの予後と健康維持に重要となるため、定期的な検診を受けることをおすすめします。

喉頭がん

喉頭がんとは、喉の前方に位置する組織に発生する悪性腫瘍のことです。

初期症状には、喉の痛み・不快感・しこり・腫れや、声の変化、飲み込みの障害、頸部リンパ節の腫れなどが挙げられます。

喉頭がんは、喫煙やアルコールの乱用、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染などが発症の原因に関係しており、複数の要素が組み合わせることが一般的です。

進行した喉頭がんは、周囲のリンパ節や肺・骨・肝臓などの部位に遠隔転移することがあり、転移先によって症状や合併症が異なります。

喉頭の内部を詳細に観察できる内視鏡検査は、喉頭がんの早期発見につなげられます。

これまで挙げた疾患の原因となる異常を早期に検出するためにも、定期的な検診と医師の指示を受けることが大事です。

喉の内視鏡検査の手順

喉の内視鏡検査は、カメラが付いた細い柔軟なチューブ状の医療器具を用いて行われます。

内視鏡検査は、口から内視鏡を挿入する「経口内視鏡検査」と鼻から挿入する「経鼻内視鏡検査」に分けられます。

以下は、一般的な内視鏡検査の流れです。

  1. 麻酔、鎮痛剤の使用
  2. 口または鼻からの内視鏡の挿入
  3. 喉頭部・声帯・喉頭蓋などの観察
  4. 舌の動きや発声による状態の観察
  5. サンプルの採取(必要に応じて)
  6. 異常の性質や病変の確定診断

観察時にポリープが発見された場合、そのままサンプルを採取するケースもあります。

検査終了後、患者さんに麻酔の効果が残っている場合は、十分な時間を設けて回復を待ちます。

検査結果に基づいて、追加の処置や治療が必要な場合、医師によって治療計画の説明が行われるのが一般的な流れです。

追加の処置がなかった場合でも、喉の違和感や痛みの管理、飲食制限、服薬指示、注意事項などの説明を受け、その後の定期的な検診で健康管理を続けることが大事です。

まとめ

内視鏡検査は、喉や食道などに生じる疾患の原因や異常の発見につながる重要な検査です。

喉が痛い場合、単なる風邪の症状ではなく、感染症による扁桃炎・咽頭炎、逆流性食道炎、食道がん、咽頭がんなどの疾患が発症している可能性もあります。

重篤な疾患の早期発見および治療においては、定期的に内視鏡検査を受けることが大事です。

「おうえケアとわクリニック」は、内視鏡検査を専門としたクリニックであり、患者さんの心に寄り添ったケアで地域の皆さんの健康維持に貢献しております。

喉に異常があって心配な方は、まずはお気軽に「おうえケアとわクリニック」までご相談ください。

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